自家製カラスミ 〜前編〜
日本三大珍味、いつ誰が決めたんだかは知りませんが、江戸時代から越前の「塩雲丹」、三河の「海鼠腸」(このわた)そして長崎野母の唐墨は、「天下の三珍」としてもてはやされたそうです。
カラスミは、中国(唐)の墨に似た形なので唐墨と、太閤秀吉に当時の長崎代官が洒落で答えたのが由来らしいですが、ボラの卵を塩漬け、塩抜き、天日干しと手間暇かけて作る、三大珍味の名に恥じない逸品です。
勿論お値段の方も三大珍味です……贅沢に食べるならやっぱ自家製に限りますよね♪手間はかかりますが、雲丹や海鼠腸に比べれば材料も揃えやすいんで意外とトライし易いですよ〜。
ボラの卵はネットでも手に入りますが、輸入品は色も悪いし少し脂臭い感じがします。なるべく国産の色の鮮やかな物が良いですね。
まずは針仕事から……σ(^_^;)血管にプチプチ穴を開けていきます、なるべく細い針を使いましょう。皮は結構丈夫ですが破らない様に慎重に作業して下さいね〜。太い血管は少しシゴいて血を出し易くします、細い血管は穴開けとくだけで大丈夫です。そのまま氷水に漬けて一晩置くと血が水に溶け出します。
水気を切ってから塩漬けしましょう、たっぷりの粗塩を上下に振って冷蔵庫で保存します。
一晩置くと水分が出て来るので、塩を替えて漬け直します。これを3、4回繰り返しながら水分が出なくなるまで約10日漬け込みましょう。
10日経って塩を洗い流すとすっかりミイラ状態ですね〜(笑)このままだと塩っ辛過ぎなんで塩抜きします。味見する訳にもいかないんで、この勘所が一番の難関です。水に少し塩を溶かして塩分が抜け易くした所へ浸けて、大きさにもよりますが、だいたい4〜6時間位置きます。
塩抜きを終えたら水分を拭き取っておきましょう。このまま次の酒漬け工程に移ります。
ここまででおよそ11日、三分の一位の工程が終わりました。あと20日ちょっとで旨いカラスミが食べられます、もうひと頑張りしましょう♪