野沢菜漬と野沢菜カブ

野沢菜漬と野沢菜カブ

野沢菜、江戸中期に野沢温泉村にある健命寺の住職が、京都に行った際に持ち帰った天王寺蕪の種子を植えたところ、蕪が大きくならなかったので葉を食べる様になったのが起源と言い伝えられています。

ただ無粋な事に、現代の遺伝子研究とやらで「天王寺蕪」の子孫ではなく、シベリア経由で入ってきた耐寒性に優れる西洋系の一種と位置付けられてる様ですねσ(^_^;)

そんな野沢菜を一躍有名にしたのが野沢菜漬け。もとは『蕪菜漬け』と呼ばれていた物を、大正時代に野沢村を訪れたスキー客が『野沢菜』の愛称で呼ぶ様になり、昭和の観光ブームで人気になったんだとか。

作り方は至ってシンプル、温泉で『お菜あらい』と呼ばれる湯洗いをした後、各々の家庭の味付けで木桶に漬け込み乳酸発酵させるだけ。味付けは一般的な塩、醤油の他に黒酢とザラメと味噌を合わせた味付けなんてのもある様ですね〜♪

また、あまり知られていませんが、地元では根っ子の部分が大きい物は『野沢菜カブ』と呼んで漬物にして食べているそうです。これがなかなか美味いけど売ってないんですよね〜σ(^_^;)そんな訳で、今年は畑で栽培して漬物作ってみます♪

まずは葉の方から漬けていきましょう。根と葉を切り分けます、葉がバラバラにならない様に根の部分を少し残して切って下さい。

続いて『お菜あらい』……流石に温泉って訳にはいかないんで、50度位のお湯で泥や埃を落としましょう。すぐ温度下がるんで熱湯を足しながら作業しましょうね〜。お湯で洗わないとポキポキ折れたり食感悪くなったりするみたいです。

今回は塩漬けを作ります。しっかり水を切った野沢菜の重量の3%の粗塩を用意しましょう、今回は野沢菜2kgなんで60gですね。

漬物樽にビニールを敷いて、粗塩をまぶしながら葉を交互に重ねましょう。

何段か重ねてから平にならしておきます、お好みで種を抜いた鷹の爪を5、6本入れると風味が増しますよ〜。

3%の食塩水を200ccほど加えてから野沢菜の重量の2〜2.5倍程度の重石を乗せて漬け込みましょう。途中重石を変えて、一週間位で食べ頃になります。

続いて野沢菜カブの仕込みに入りますよ〜。まずは、なるべく薄く皮を剥いて4等分に切り分けます(小さい物は2等分で)

ホントは皮剥かない方が美味いんですが、細かい根が多く土が入り込んでるんで、仕方なく剥いてますσ(^_^;)

切ったカブを保存袋へ入れて、カブの重量の3%の粗塩を加えてよく混ぜます。

このまま一晩置いて水分を出します。翌日になったら水を捨ててくださいね〜。

水分を出したら500g対して大さじ4の味噌を加えてよく混ぜて冷蔵庫で寝かせましょう。まだ水分が出るので、時々混ぜて味付けにムラが出ない様にします。

もう一品、野沢菜カブの糠漬けを仕込みます。切り分けたカブを糠床に入れるだけですけどね〜σ(^_^;)冷蔵庫保管の糠床で4日、常温なら2日も漬ければ充分です。

葉の方は3、4日して水が上がってきたら重石を軽い物に変えます。一週間位で浅漬け、そこから少しずつ乳酸発酵して酸味が出てくるので変化を楽しみながら、好きな加減で食べましょう。

外気温が高いと発酵進むの早いんで、お好みの加減で保存袋へ入れて冷蔵庫保存でも良いかと思います。

水気を切ってから根本を落として、3、4センチに切り分けます。

味噌漬けは味噌を洗い落として水気を切ってからスライスしましょう。

糠漬けも同様に水洗いしてから切り分けましょう、綺麗に色出て美味そうですね♪

お皿に盛り付けて完成です、ちゃんと野沢菜の雰囲気出てますね〜σ(^_^;) 根の部分はカブの食感に大根の風味、まさに大根と蕪のハイブリッド的な味わいです。糠漬けもシンプルに美味いんですが、味噌漬けが味に深みがあって良い感じです♪

なかなか目にする事の無い野菜ですが、意外と手軽に栽培出来るんで、次回は醤油漬けにもトライしてみます。

それでは皆様、良い晩酌を\(^o^)/