藪蕎麦御三家〜並木藪〜

藪蕎麦御三家〜並木藪〜

江戸の蕎麦の系譜と言えば藪蕎麦を抜きには語れませんよね〜。藪蕎麦の特徴は、醤油の味が強く塩辛い蕎麦つゆ。必然的に「つゆをちょっとだけつけて食べる」という江戸風の蕎麦の食べ方になったそうです。

10代目金原亭馬生は落語『そば清』の枕で「死ぬ前に一度、つゆをたっぷりつけて蕎麦を食べたかった」と言って事切れる江戸っ子の話で笑いを取ってたんだとかσ(^_^;)

そんな藪蕎麦には御三家ってのがあります。神田、並木、池之端藪……ホントは御三家巡りしたいところですが、池之端藪は一昨年惜しまれつつ閉店。一軒足りないんで今回は藪御三家とその近所の粋な蕎麦屋を巡ってみます♪

まずは浅草の並木藪……蕎麦好きなら誰でも知ってる老舗繁盛店、日本一有名な蕎麦屋かもしれませんね。浅草では1913年に創業だそうで、もう100年以上続く老舗です。

まずは蕎麦味噌を肴に熱いのから始めましょうかね〜。この味噌も店ごとにスタイル違うんで楽しめるポイントです。

もり蕎麦至上主義の方々には怒られそうですが、個人的にここの花巻蕎麦が大好きで、寒い時はよく頼みます♪ネギは入らず海苔とワサビだけでシンプルな種物です。

もちろんもり蕎麦も食べますよ〜、追加を頼むとちゃんと頃合い見計らって提供してくれます。おばちゃん達の接客は見事の一言、一人で座ると絶妙のタイミングでスポーツ新聞出してくれるし。

厨房とホールの従業員合わせるとお客と同人数位だからなのかな、本当に行き届いてます。落ち度があるとすれば横浜ファンの僕に東京中日スポーツ出した事位ですかね(笑)

こちらが日本一塩辛い蕎麦つゆです、もちろん蕎麦湯で割れば深い味わいを楽しめます♪

ここは鴨南蛮も人気、鴨肉団子を肴に酒飲むのが最高です。通は鴨抜きオーダーして蕎麦入ってない奴ツマミに酒飲んで、もり蕎麦で締めるなんて芸当も出来るんでしょうけど、僕はあと十年位修行が必要ですかね〜σ(^_^;)

鴨と言えば駒形橋渡った対岸の辻にある『吾妻橋藪』も繁盛店、写真は人気の鴨せいろです。こちらも神田藪で修行された店主が独立したそうなんで直系ですね〜。

お値段はちょっとお高めですが、妥協なく手間をかけた蕎麦は納得の一杯になると思います♪

老舗ではありませんが、個人的にもう一軒オススメなのが『寺方蕎麦 長浦』♪寺方蕎麦ってのはお寺で檀家や客人に振舞われる蕎麦なんだそうで、なかなか粋なジャンルみたいですね。

ここの油そばが酒のアテにはなかなか。油そばと言ってもラーメンではなく、蕎麦に天ぷら揚げた油をほんのり纏わせた上品なメニューです。

もう一品、雲水蕎麦を♪とてもキメの細かい大根おろしが新雪の様に盛られた一品。あとからつゆをかけて食べるんですが、大根の辛味やクセがなくて蕎麦の香りを愉しめる蕎麦です。

他にも尾張屋や翁蕎麦なんて老舗が目白押しの浅草……続きはまた次回ということでσ(^_^;)